ギフト
(掲載:2020年7月 回帰 第2号)
全体的に盛り上がりと弾⼒に富み⽢みが強いのが特徴。鶏に与える⽔は、樹⽊の化⽯である古代樹の層に通した地下⽔を使⽤。飼料にはウコンやヨモギ、漢⽅をミックスしたものや、その他季節に応じ内容を変えたものを使⽤している。直売所併設のカフェでは、このタマゴを使⽤した⼈気のプリンなどのスイーツメニューをはじめオムライスも楽しめる。
「鳳凰卵」
有限会社⼩川フェニックス神奈川県相模原市南区⿇溝台 5 丁⽬ 14-1439オンラインショップ:http://kokekoko.ocnk.net/
帰り際、とても⼤切な⽅からこのタマゴを頂いた。聞くと、私の地元相模原では地元⺠がこぞって通う有名なお店のタマゴだそうだ。⼤事そうに抱えられた⼿のひらからそれを有り難く受け取り、そっとクルマの助⼿席に置いた。
「何を作ろうかな」帰りの⾞中、ハンドルを握りながら今夜のメニューをあれこれ巡らせた。ふと、昨晩、⼟鍋で炊いたご飯が茶碗⼀杯分ほど残っていることを思い出した。そうだ、シンプルにタマゴかけご飯にしよう。タマゴの味をダイレクトに楽しむにはやはり⽣に限る。
ご飯はすっかり冷えてはいるが、私は炊きたて熱々より冷や飯を好む。帰宅すると、早速キッチンに⽴ち、茶碗にご飯をよそって中央に少しだけくぼみを開けた。
コンコン、パカッ。割れ⽬から⾶び出てきたその姿は、なんとも鮮やかな濃い橙⾊をしており、こんもりと⽴体的に膨らんだ⼆つの層は⾒事にくぼみに着座した。
「おぉ!」思わず声が漏れた。そこにサラサラと⽩だしを垂らしてみる。1⾊追加されたそこには⻩⾦⾊に輝く⾒事な⼀品が完成した。そっと⻩味に箸の先を⽴て、軽く潰しながら⽩だしを馴染ませる。そして箸に付いたそれを少しだけ⾆に運んでみた。
「やばい!」⾒栄えと同様とても濃厚で、柔らかな⽢みとコクがある。我慢ができずその後は⼀気にかき混ぜ、⼀⼝⼀⼝味わいながら胃におさめた。
極上のタマゴ。決して地元びいきではなく、真⾯⽬に⼈に紹介したいと思える⼀品だと思う。
「⼤切な⼈からまた⼤切な⼈へ」
その年のお歳暮は、もちろんこのタマゴにしたことを付け加えておこう。
松本 隆宏(文/山本さくら)
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