時空の旅

「兵庫県丹波篠⼭市」歴史回廊の旅。
ノスタルジックな町で古き良き⽇本を知る。

(掲載:2020年7月 回帰 第2号)

【丹波篠山市】

⼈⼝ 39,829 ⼈。兵庫県中東部に位置する。旧丹波国として古来より京都への交通の要として栄え、京⽂化の影響を⾊濃く受けている。毎年8⽉には篠⼭城三の丸広場でデカンショ祭りが開催され、多くの市⺠や観光客で賑わう。近年、丹波篠⼭出⾝の若者たちや著名⼈らの⼿によって再⽣化が進む。

日本遺産の町、丹波篠⼭。

数百年の時を超え、今なお静かに時を刻む町並みと、五感に染み渡る豊かな⾃然は、訪れる者の⼼を魅了してやまない。

東京の⻘⼭は、篠⼭藩藩主⻘⼭家の江⼾屋敷があったことが、地名の由来になっていることを 知る⼈は少ないだろう。
中⼼部に位置する篠⼭城跡は、慶長14年(1609 年)に徳川家康が⼭陰道の重要地点として築城した。この城跡を中⼼として広がる景⾊ は、当時の町並みが⾒事に保存されており、武家屋敷や商家の数々は、在りし⽇ の姿を偲ぶことができる。
11⽉になると⼭では猪猟が⼀⻫に解禁になる。⽇本三⼤猟場の中でも丹波篠⼭の猪⾁は絶品とされ、牡丹鍋の発祥地として⾷通に⼈気だ。⼭の幸に野の幸、 豊かな伝統⽂化。素朴でありながらもすべてが満たされる。⼼安らぐ場所として、本当は⼈に教えたくないのが本⾳だ。

松本 隆宏(文/山本さくら)

お徒士町通り武家屋敷群。安間家史料館では古文書や武具などを展示

丹波篠山は日本三大杜氏のひとつ丹波杜氏発祥の地として名高い
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如月庵の牡丹鍋。重森三玲の枯山水「逢春庭」を眺めながらの食事は格別