こだわりの暖簾

「魚や しるし」- 東京 四谷 - 〜 特別な一軒、特別な一品が私の人生を豊かに育む 〜

(掲載:2024年10月 回帰 第19号)

【魚や しるし

東京都新宿区四谷2丁目10−5 八ツ橋ビル 2階
TEL 03-6457-7457

【アクセス】
東京メトロ丸ノ内線四谷三丁目駅3番口 徒歩5分

【営業時間】
《月〜土》17:30~23:30(L.O. Food 22:30 Drink 23:00)
《定休日》日曜・祝日

四谷で愛される理由

個性派店がしのぎを削る四谷で、多くの人に愛されているお店といえば、ここ「魚や しるし」だろう。その歴史は2012年、店主の保手濱(ほてはま)勝吉さんが仲間とともにオープンした1号店「肉や しるし」に始まる。

2016年には、2号店「肉や ちぇっく」をオープン。すぐに人気店へと成長するも、6年後の2022年にカウンター席メインの魚業態へリニューアルした。その理由は、コロナ禍により団体客が激減することを予測したから。その先見の明と英断により衣替えした「魚や しるし」は、大人の隠れ家として瞬く間にクチコミで拡散。今やこの地で不動の位置を確立しようとしている。

自慢の料理のパフォーマンスを美しく引き出してくれる木のカウンターは、大人数でも会話がしやすいよう設計されたアーチ型。ゆったりとした席並びとシックな照明が、大人の社交場として居心地の良い空間を創る。主な客層は40代から60代。普段使いから会食など利用目的は様々。

おすすめメニューは、刺し身の盛り合わせ、カニクリームコロッケ、レアジフライ、銀鱈の麦味噌漬け。

「ゆっくりくつろいで頂けるよう、料理は大皿ではなく小分けにして出しています」と保手濱さん。なかでも、特に人気の「レアジフライ」は、その名のとおりレアがウリ。

「前日もしくは当日に入荷したアジをお刺身用にすることで、レアで召し上がって頂けるようにしています」。魚は毎朝店主自ら豊洲へ出向き、野菜は茨城から直送される有機野菜を使用。経営の要となる仕入れ先との付き合いを、何よりも大切にしているという。

「ご年配のお客様もたくさんご来店頂くのですが、有難いことにとても感謝いただき、それが嬉しいです。地域に根付いた店作りを地道にやっていきたい」。そう話す保手濱さんの穏やかな眼差しに愛される理由がキラリ。

お客様とともに積み重ねた12年目の秋。暖簾をくぐれば今日もまた、みな思い思いの酒を手に取り、美味しい酒肴に舌鼓を打っていることだろう。