【清の】
東京都町田市原町田4-7-2-2F
TEL 042-860-7684
【営業時間】
《平日》ランチ 予約のみ/ディナー18:00〜22:30(LO 21:00)
《定休日》日・月
サイト情報:https://www.sosakukiyono.com/
初冬の夕暮れ。しっとりとした雰囲気の看板に吸い寄せられるように2階へ上がると、シンプルな外観からは想像できない趣ある装いが飛び込んできた。
町屋の風情を漂わせる、落ち着いた色の木材と温かい白熱灯。そして、高い天井と余裕のある席配置は、ゆっくり過ごして欲しいという店主のおもてなしを感じさせる。
店内はカウンター5席、テーブル2卓。店主の目が届く規模という安心感は、店側だけではなく客側にとっても重要だ。
「創作中華 清の」は、町田の喧騒から少し離れた路地裏に佇む。店主の上田さんが、この地に店を構えたのは、コロナ禍の2020年11月。偶然にも良い物件に巡り合い、さまざまな人の助けを得てオープン。お客様ひとりひとりと向き合い、つながりを大切にする姿勢は、少しずつそして着実にファンを増やし、わずか3年で予約が取りづらい人気店となった。
「清の」のこだわりは、食材本来の味を大切にし、化学調味料を一切使用しないこと。「季節ごとに厳選した食材を市場から仕入れています」と上田さん。その時季だけの各地の産物を独自の調理法で手際良く昇華させ、九谷焼のお皿に鮮やかに盛り付けていく。
唯一無二を生み出す上田さんの料理は情熱と人柄のエッセンスもプラスされ、店内にその空気が発露する。これもリピーターが絶えない所以のひとつだろう。
絶妙な間合いで運ばれる料理を、上田さんの出身地・京都のウイスキーとともにいただいてみる。なかでも、「マツカワガレイとパクチーの山椒和え」は、山椒とパクチーの香りがカレイの旨みを見事に引き出し悶絶する美味しさ。
創作性に富んだコースメニューは緩急があり、どれもしっかりとした味付けなのにどこか優しく、胃もたれしないというクチコミに「なるほど」と得心した。
繁盛店には必ず理由がある。こういう確かな理由が、訪れる人の「本当は誰にも教えたくない店」となっていく。「いまこの瞬間を大切な人達と食べる幸せ」を小誌読者の皆様にも共有したい。ぜひお試しあれ。
ペニンシュラ東京で腕を鳴らした店主・梅田敏弘さん。
物腰柔らかい語りや雰囲気が店内を温かく包み込む。