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映画『ファウンダーハンバーガー帝国のヒミツ』

(掲載:2022年10月 回帰 第11号)

映画『ファウンダーハンバーガー帝国のヒミツ』

アメリカ合衆国
公開日 2017年7月29日(日本)

監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:マイケル・キートン、ニック・オファーマン、ジョン・キャロル・リンチ、リンダ・カーデリーニ、パトリック・ウィルソン、B・J・ノヴァク、ローラ・ダーン ほか

執念と覚悟があれば無敵だ

今や世界100ヵ国以上、4万店舗を構えるグローバルカンパニー、マクドナルド。 小誌をご覧になっている方も、一度はその味を口にしたことがあるだろう。この映画は、創業者である大実業家レイ・クロックの秘話に基づいて描かれたノンフィクション映画である。

真の創業者であるマクドナルド兄弟が切り盛りする一号店。彼らがウリにしている画期的なシステムに商機を見出したレイは、フランチャイズ化の話を持ちかけ兄弟との契約を交わす。

しかし、次第に堅実経営の兄弟と利益優先のレイは意見が分裂。手段を選ばない傲慢さで次々に事業を拡大するレイは、壮大なハンバーガー帝国創建のため、兄弟との全面対決へと挑んでいくー。

序盤のテンポの良いストーリー。しかし、その展開とは裏腹に、正直、観終わった後はなんとも言えない気分になった。一言で言うと、後味が悪い。

成功者としてのし上がっていく者の業が如実に描かれており、非情とも言えるレイのやり口に、兄弟へ同情する人も少なくないだろう。

さておき、起業家にとっては、新しいモデルをゼロから創り上げ、世界トップクラスへと上り詰めたサクセスストーリーは、やはり学びが多い。

作品全体の印象としては、レイ・クロックのヒールさがさほど強調されていなかったように感じる。プロセスより成果主義のアメリカ。それこそがアメリカンドリームの概念であり、まさに「ザ・アメリカ」を象徴する映画とも言える。

ビジネスには光と陰があり、常に表裏一体だ。レイ・クロックの容赦ない豪腕っぷりは、乗っ取りなのか?革命なのか?それをどう解釈するかはあなた次第。秋の夜長、一味違った作品を観たい方にオススメしたい。

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