こだわりの暖簾

鳥誠 〜 特別な一軒、特別な一品が私の人生を豊かに育む 〜

(掲載:2021年4月 回帰 第5号)

通からも評価が高く、昨年2号店をオープンした今界隈で最も勢いのある鳥料理専門店「鳥誠」。松本の高校時代の一年後輩であるオーナーの鈴木氏と同級生の山森氏、そして松本による座談会。お店の人気メニューを堪能しながら、三人の熱きリーダー達に当時のエピソードを交えながら語っていただいた。

【鳥誠】

東京都江戸川区船堀3-7-17 第五トヨダビル2F
電話:03-6808-4866
営業時間:17:00-24:00/定休日:月曜

URL : https://retty.me/area/PRE13/ARE10/SUB1006/100000743289/

「野球を通じて育まれたもの」

日大三高魂に思いを馳せる

鈴木 今日は当店を選んでくれてありがとうございます。
松本 前回来た時にとても美味しかったから、今回も楽しみにしていたよ。
鈴木 ありがとうございます!頑張っておもてなしさせていただきます。
松本 よろしくね。この企画、読者の方に好評なんだ。誠は最近調子どう?
鈴木 何とかやっています。こんな世の中でも、こうして皆さんとお会いしてお話出来てますからね。
3人 じゃあお疲れ様です。乾杯!
鈴木 何はともあれ、やるしかないですからね。それこそ三高魂で。
3人 笑

松本 じゃあ、ここで先輩から「日大三高魂とはなんぞや」と質問させていただいてもよろしいですか?(笑)
鈴木 あのきつい練習や厳しい寮生活で培った諦めない気持ち、ですかね。野球をやってきたことが今の仕事に本当活きているなと感じます。うちの従業員の子も学生が多いんです。この時期が一番大事だから、色々と厳しいことは言いますけど愛情を持って接すればわかってくれるんです。伝わったと気付いた時は嬉しいです。
松本 今の時代、なかなか厳しいことを言ってくれる人がいないからすごく幸せなことだよね。よく俺も山森も世間から見ると「厳しい」と言われるんだ。
山森 厳しいんですかね、僕らは。
鈴木 でも厳しい事を言ってくれるっていうのはありがたいことですよね。今は親でさえ子供にそんなこと言わない時代ですもんね。
松本 時代の変化を感じるね。
鈴木 けど、今頑張った事は必ず後から帰ってくる。そう思うと、今までやってきた事はとても感謝しないとなって思いますよね。

山森 盛り上がってきたところで、日大三高魂を持つお二人の野球部でのエピソードを教えてください。

松本 いやぁ、それはもう大変だった。寮生活もなかなか忘れられるものじゃないよ。
鈴木 とにかくレベルが違う人に圧倒されましたね。僕もそれなりに自信はあったんですが、やっぱり練習していて、この人には勝てないなっていう人がいるんですよ、僕からすれば松本さんがそういう人でした。甲子園でもヒットを打っているし、打球を呼び込んで打つということが非常にうまかった。
松本 なかなか当たらなかったけどね(笑)
山森 今、僕の目の前には歴代の4番お二人が並んでいるんですが、やはりプレッシャーのあるポジションを経験して、仕事で役立ったと思うところはありましたか?
鈴木 まず日大三高でやってきたということが誇りですよね。卒業してから飲食の修行中に辛い時もありましたけど、あの頃に比べれば大丈夫だと思うことはよくありました。負けてたまるかと。
山森 やはりあの時のきつい練習を乗り越えたから今がありますね。
松本 鈴木  うんうん。
鈴木 仲間もお金では買えないですもんね。こうして今、松本さんや山森と話せているのも幸せです。

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山森 松本さんはどうですか?
松本 俺達はスポーツを通じて、夢中になれるものを知ったと思うんだよね。俺は好きになれば努力と言う言葉は必要ないと思ってる。そういう考えを養える環境にいたというのは、とても幸せだったんだなと思うよ。今ここにいる3人も、俺はコンサル、誠はこのお店、山森は映像制作事業、みんな仕事が本当に好きで夢中になってる。だからこそ厳しい世の中でも、こうして生き残って楽しくお話ができているんだと思う。それでも、まだまだ俺たちは満足しないと思うんだよね。
鈴木 分かります。楽しいんですよね。まだ上がある、もっとやりたい。そう思うと辛いって感情はありません。
山森 まだまだ走り続けるという事ですね。
松本 鈴木 それはもちろん。
松本 山森は何かある?
山森 僕ですか、うーん。やはり「存じません、かしこまりました」これらの敬語を先輩に徹底していたので、当たり前のように使えるようになっていたこと。これがとても有り難かったかなと思います。社会に出た当時、すぐに敬語を使えて、野球をやっていて良かったなと思いましたね。
松本 あとは人に対する気遣いができるようになったよね。先輩達に色々してもらった時にどうやってこのご恩を返そうかとか、そういう風に思えるようになった。だから今目上の人やお客様に対して何かできないかなと考えられるようになった。まあできているかどうかは別としてね。
山森 がむしゃらに白球を追っかけた甲斐はありましたね。
鈴木 僕はもう一つあります。何事も挑戦する意気、気合、それが身に付いたと思いますね。周りの人が手を挙げない中、自分は臆せずに手を挙げられるようになりました。こういうことを息子や部下に対して背中で語りたいですね。

山森  何かいいエピソードがおありのようですね?
松本 それは、まぁすごかったよね。6畳1間の部屋で練習後も先輩と過ごして、それはそれは…(笑)
鈴木 今思うと軍隊みたいですよね(笑) そのうちラッパが鳴るんじゃないかって。今でも思い出に残ってるんだけど、同級生と買い出ししているのがコーチにバレて大変な目にあった時に、松本さんが止めに入ってくれたんですよ。助けてくれたのは松本さんだけで、それはもう嬉しかった。神様が来たって(笑)
松本 あれはもう止めるしかないよ(笑)
鈴木 松本さんは、4番ということもありなかなか話しにくい。いや、話しかけちゃいけないみたいな空気が俺たち後輩にはあったけど、今思えばなんでもっと早く可愛がってもらいに行かなかったんだろうって思いますね。
松本 その代わり、今可愛がってるから(笑)
山森 面倒見がいい方ですよね。
鈴木 思いやりがあるんですよ、厳しい中にもその人の本質を見ている、そんな人です。
松本 なんか恥ずかしくなってくるなぁ。
鈴木 これ(会話の内容)使えるんですか?
山森 大丈夫かな(笑)
松本 総括すると、僕達は思いやりを大事にしていこうってことでいいのかな。
鈴木 厳しくされた分、僕らは愛を持って次世代に接していこうと。
山森 それっぽくなりましたね(笑)
松本 また、こうして集まろうね。
鈴木 山森  楽しみにしています!

文・構成 山本 さくら